整形外科コラム
medical Colum
産後に膝が痛くなるのはなぜ?
原因と治療を整形外科医が解説
⚫︎産後に膝が痛くなる仕組みと原因
⚫︎膝が痛む場合の治療
⚫︎自宅でできるケアと受診の目安
産後に膝が痛くなる原因は?
産後の膝の痛みには、複数の要因が重なって起きることがほとんどです。
① ホルモンバランスの変化
妊娠中に分泌されるリラキシンは、骨盤を開きやすくするために関節や靭帯を緩める働きをします。このホルモンの影響は膝関節にも及び、関節の安定性が低下して痛みが出やすくなります。また妊娠中は副腎皮質ホルモンの働きで炎症が抑えられていますが、産後にホルモンバランスが変化すると、それまで隠れていた炎症が表面化することがあります。
② 筋力の低下と姿勢の変化
妊娠中の活動制限やお腹の重さの影響で、腹筋・骨盤周りの筋力が低下します。体を支える力が弱まった状態で育児が始まると、膝関節への負担が集中しやすくなります。また筋力低下によって姿勢が維持出来ないため歩く時に負担がかかったりします。
③ 育児動作による酷使
赤ちゃんを抱っこした状態での立ち座りは、膝関節に通常の2〜3倍の負荷がかかります。階段の上り下りでは最大6〜7倍になることもあり、これが毎日繰り返されることで炎症が起きやすくなります。
どんな症状があれば受診すべき?
以下に当てはまる場合は早めに整形外科を受診することをおすすめします。
- 膝の曲げ伸ばしや正座で痛みや違和感がある
- お皿の上周辺を押すと痛い
- 朝起きたとき膝がこわばる
- 動かしにくい
- 赤ちゃんを抱っこした状態でしゃがめない
- 膝が腫れている・熱感がある
2つ以上当てはまる・2週間以上続く場合は放置せず受診してください。
どのような治療法があるの?
まず保存療法を中心に行い、必要に応じてリハビリや注射を組み合わせます。
保存療法
サポーター・テーピングによる関節の安定化、消炎鎮痛剤の内服・湿布が基本です。
リハビリテーション
大腿四頭筋のストレッチ・骨盤周りの筋力強化・姿勢改善指導を組み合わせます。妊娠中に変化した姿勢を正しく戻すアプローチが、膝蓋骨上部の痛みには特に有効です。妊娠に詳しい専門の理学療法士の対応が必須です。
注射療法
炎症が非常に強い場合は膝関節周辺の筋へのハイドロリリースなど行うことがありますが稀です。
自宅で膝の痛みをケアするには?
完全に治すことは難しいですが、以下のケアで悪化を防ぐことができます。
- 床での作業はなるべく避け、椅子を活用する
- 抱っこの際は腰・膝を同時に曲げる
- 授乳クッションを使い前傾姿勢を減らす
- 大腿四頭筋のストレッチを1日2〜3回行う
- 症状が強い時はサポーターを装着する
よくある質問
Q. 産後の膝の痛みは放っておいても治りますか?
時間とともに改善することもありますが、育児中は膝を休めることが難しく慢性化しやすいです。2週間以上続く場合は受診をおすすめします。
Q.お皿の周囲が痛いのはどんな疾患ですか?
大腿四頭筋付着部炎や膝蓋腱炎の可能性があります。妊娠中の姿勢変化が産後も残っていることが原因となるケースが多く、姿勢改善とリハビリが有効です。
Q.妊娠中から膝が痛い場合はどうすればいいですか?
妊娠中もホルモンや姿勢変化の影響で膝痛が起きやすい状態です。薬の使用に制限はありますが、装具やリハビリで対応できます。我慢せず早めにご相談ください。
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