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整形外科コラム

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監修/あわ整形外科クリニック院長 阿波康成
整形外科専門医/骨粗鬆症認定/産前産後整形外科医
 

膝に水が溜まる理由とは?


 
このコラムで学べること
  • 膝に水が溜まるメカニズム
  • 主な原因疾患と見分け方
  • 抜いた方がいいのか、放置してはいけない理由
  • 受診すべきタイミングと治療の流れ

膝に水が溜まるのは、関節内で炎症が起きたサインです。変形性膝関節症・半月板損傷・関節リウマチなどが主な原因で、放置すると痛みや動きの制限が悪化します。この記事では、整形外科専門医が「なぜ水が溜まるのか」「どう対処すべきか」を分かりやすく解説します。
『大阪市西区の整形外科 あわ整形外科クリニック』

 
公開日 2026年4月28日

膝に水が溜まる仕組み

膝に水が溜まった経験はありますか?「病院で水を抜いてもらったけれど、また溜まってしまった」「そもそも、なぜ水が溜まるのか分からない」というお悩みを抱えている方は少なくありません。
 
膝の「水」とは、正確には**関節液(滑液)**と呼ばれるものです。健康な膝関節にも少量の関節液は存在しており、軟骨への栄養補給や関節のスムーズな動きを助ける役割を果たしています。
 
しかし、膝の中で炎症が起きると、この関節液が過剰に分泌されてしまいます。これが「膝に水が溜まる」という状態です。水が溜まること自体は、身体が炎症に対して反応している証拠であり、何らかの原因疾患が背景にある可能性を示しています。

膝に水が溜まる原因は何?

膝に水が溜まる原因は、大きく「加齢・変性によるもの」「外傷によるもの」「全身疾患によるもの」の3つに分けられます。
 
加齢・変性が原因の場合
 
最も多い原因が、**変形性膝関節症**です。加齢とともに軟骨がすり減り、骨同士が刺激し合うことで慢性的な炎症が生じます。50代以降、とくに女性に多く見られ、「階段の上り下りが痛い」「朝起きたときに膝が動かしにくい」といった症状が特徴です。
 
外傷・スポーツ障害が原因の場合
 
半月板損傷や前十字靭帯損傷など、膝のケガによっても水が溜まります。スポーツ中の急な方向転換や、転倒・衝突などをきっかけに起こることが多く、若い世代にも見られます。「ケガをした後から膝が腫れてきた」という場合は、早めの受診が重要です。
 
全身疾患が原因の場合
 
関節リウマチや痛風・偽痛風(ピロリン酸カルシウム結晶沈着症)なども、膝に水が溜まる原因になります。これらは全身の免疫異常や代謝異常が関与しており、膝だけでなく他の関節にも症状が出ることがあります。

どんな症状が出ますか?

水の量が少ないうちは自覚症状がほとんどない場合もありますが、炎症が進むにつれて膝の腫れ・熱感・重だるさが目立ってきます。さらに水の量が増えると、膝を曲げ伸ばしする際に強い抵抗感や痛みを感じるようになります。
 
また、膝の後ろ側(膝窩部)に水が溜まる「ベーカー嚢腫」を合併することもあり、この場合は膝の裏側に膨らみを感じることがあります。

膝の水は抜いた方がいいのですか?

「水を抜くと癖になる」という話を耳にしたことがある方も多いと思います。しかしこれは医学的には正しくありません。
 
水を抜く処置(関節穿刺)は、溜まった水を取り除いて痛みや動きの制限を改善するために行います。この処置自体が「水が溜まりやすくなる原因」になることはありません。
 
水が繰り返し溜まるのは、原因となっている炎症が続いているからです。つまり、「水を抜いてもまた溜まる」場合は、根本的な原因疾患の治療が不十分である可能性を意味しています。
 
水を抜いた液体(関節液)の色や性状を確認することで、原因疾患の診断にも役立てることができます。透明~黄色みがかった液体であれば変形性関節症が多く、血性(血が混じる)であれば外傷や靭帯損傷の可能性が高まります。

受診すべきタイミングは?

膝に水が溜まっている状態を放置すると、以下のリスクがあります。
 
慢性的な炎症が続くことで、関節軟骨のすり減りがさらに進行します。また、膝周囲の筋肉が萎縮して関節の安定性が低下し、膝関節の変形が加速することがあります。さらに、化膿性関節炎(細菌感染による関節の化膿)が起きている場合は、早急な処置が必要であり、放置は非常に危険です。
 
以下のような症状がある場合は、早めに整形外科を受診することをお勧めします。
 
膝の腫れが1週間以上続いている場合、膝が熱を持っていたり赤くなっていたりする場合、強い痛みで歩行が困難な場合、発熱を伴っている場合(化膿性関節炎の可能性)などは、特に注意が必要です。

どのような検査・治療がある?

当院では、膝の水が溜まっている患者様に対して、以下の流れで診療を行っています。
 
まず問診・視診・触診で症状の経過や日常生活への影響を丁寧に確認します。次にX線(レントゲン)撮影で骨の状態を確認し、必要に応じてMRI検査で軟骨・半月板・靭帯の状態を詳しく評価します。原因が特定できたら、関節穿刺(水抜き)・ヒアルロン酸注射・リハビリテーション・薬物療法などを組み合わせた治療を行います。
 
「水を抜くだけ」ではなく、再発しないための根本治療を重視しています。痛みや生活の不便さでお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。


よくある質問

Q.膝に水が溜まっていますが、痛みはそれほどありません。受診は必要ですか?

 
痛みが軽くても、水が溜まっている状態は関節内で炎症が起きているサインです。原因を特定せずに放置すると、症状が悪化したり関節の変形が進行したりする可能性があります。早めに整形外科で診てもらうことをお勧めします。

Q.膝の水は自然に引きますか?

 
原因や炎症の程度によっては、安静にすることで水が自然に引く場合もあります。ただし、繰り返し溜まる場合や、腫れ・熱感・痛みが強い場合は、自然に治ることは難しく、適切な治療が必要です。

Q.水を抜いた後、日常生活で気をつけることはありますか?

 
処置後は当日中の激しい運動や長時間の歩行は避けていただくことが一般的です。また、膝への過度な負担(正座・しゃがみ動作・体重増加など)は炎症を悪化させる要因になるため、担当医の指示に従って日常生活を送ることが大切です。


監修/あわ整形外科クリニック院長 阿波康成
整形外科専門医/骨粗鬆症認定/産前産後整形外科医
 

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